ボイストレーニングの基本

「これがボイトレの基本!」

- 【2-2】 胸式呼吸と腹式呼吸のしくみ

胸式呼吸と腹式呼吸、それぞれの仕組みをくらべて 違いをみてみましょう。

胸式呼吸(きょうしきこきゅう)

胸式呼吸は、文字通り「胸」で呼吸をすること。
胸式呼吸だと肺を覆っている骨(ろっ骨)が広がり、肺が横へ膨らんで広がります(肺の上の方に空気が入る感じですね)。この時、胸や肩や首の筋肉をつかうので、その部分は緊張して力が入り堅くなってしまいます。当然、喉にも力が入りリラックスした状態に保つことができません。歌う場合には、たくさんの空気を素早く吸う必要があるため、さらに筋肉を強く動かし、喉が一層緊張して堅くなってしまいます。喉が堅くなると発声がしにくくなるため、胸式呼吸はヴォーカルには向きません。

腹式呼吸(ふくしきこきゅう)

腹式呼吸は、「お腹」を使って呼吸をすること。
腹式呼吸をすると、肺の下(みぞおちの上辺り)にある横隔膜が下がります。この横隔膜は肺と胃の間にあって、胴体を仕切るように位置しています。息を吸うと横隔膜が下がり、肺の下方に空気が入ってお腹が膨らみます。

腹式呼吸は息を吸う時に肺を横に広げることはありません。つまり、呼吸時に胸や肩の筋肉を使わないので、喉をリラックスさせた状態にできます。

★胸式呼吸は息を吸う時に肩や胸を使うので、喉にも力が入ってしまう。
★腹式呼吸は喉がリラックスした状態になる。つまりボーカルトレーニングでは腹式呼吸を使う。

腹式呼吸の詳しいやり方については、「2-4 腹式呼吸をやってみよう!」でしっかり説明していきますね。その前に次ページで胸式と腹式の違いを簡単に確認しておきましょう。

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